世界的に有名な学術雑誌サイエンス誌は、1/26付けの記事で新型コロナウイルスの感染源は海鮮市場ではなかった可能性が高いと報じました。
日本ではTBSなども含めまだほとんどのメディアで海鮮市場で売られていた野生動物が感染源だった可能性が高いと報じられていますが、こうした状況に一石を投じた形になっています。 サイエンス誌のスタッフライターであるジョン・コーヘン氏によると、確認されている最初の感染者は12/1に発症したものの、この感染者は問題とされている海鮮市場に行っていませんでした。また、最初に入院した41人の感染者のうち、合わせて13人は海鮮市場と全く関係がないということで、ジョージタウン大学の疫学専門家であるダニエル・ルーセイ氏も41人中の13人は無視できる数字ではないと述べています。 最初に海鮮市場を感染源としたのは中国の健康当局とWHOですが、彼らが確認した最初の感染者の発症は12/8だったので正確を期した調査とは言えなかったようです。また、海鮮市場感染源説の根拠になっている彼らのレポートは、「ほとんど」の感染例が海鮮市場に関連がある、と述べるだけに留まるという説得力にかけるものであったことも明らかにされています。 ルーセイ氏は、もし新しいデータが正確であるならば潜伏期間などから逆算して最初の人間への感染は11月中には起こっていたはずで、そのあと静かに人間から人間へ感染しつつ、中国当局とWHOの見解とは逆に、感染者から海鮮市場にウイルスが持ち込まれた可能性が高いと語っています。 カリフォルニア州サンディエゴに本部を置くスクリプス研究所の進化生物学者クリスチャン・アンダーセン氏は1/25に新型コロナウイルスの遺伝子解析結果を発表し、最初の感染者の発症が12/8だったと想定するよりも12/1だったと想定するほうが論理的であるということ、そして分析した27つのサンプルに共通する祖先はおそらく10/1に誕生したと推定しています。 https://www.sciencemag.org/news/2020/01/wuhan-seafood-market-may-not-be-source-novel-virus-spreading-globally http://virological.org/t/clock-and-tmrca-based-on-27-genomes/347/4
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