武漢発の新型肺炎について、1/25になってから大量のニュースが出るようになりました。しかしニュースを書く側だったときの経験からも分かるんですが、批判や反響の大きさを意識して記者が最後まで書けない、ということもよくあります。押すなよ、絶対に押すなよ、というときのあれです。別の言い方をすると、ペンを貸してくださいという代わりにペンを持ってますか?と聞く時のあれです。そういうとき、書く側としては察してください、と心のなかで叫びながら書いているわけです。 そういう記者の心の叫びを汲み取りながら、ニュースが直接は言わないけど最後まで言い切るとどうなるのかというところをまとめたいと思います。 箝口令は朗報も封じるはず 今日付けのフィナンシャル・タイムズの記事で、武漢の医療関係者に箝口令が敷かれたということが報じられています。昨日の金曜日に、2名のソースがフィナンシャル・タイムズに伝えたとあります。箝口令の内容としてはウイルスの状況に関する最新情報。対象は家族、友人、そしてジャーナリストに対して、オンラインで、ということです。しかしポイントとしてはウイルスに関する最新情報が朗報である可能性もあり得るということです。つまり、大丈夫です、全てコントロール出来ています、というような内容です。つまり、医療関係者が大丈夫です、安全です、と言った場合、それもウイルスの状況に関する最新情報なので、箝口令の対象になるはずです。大丈夫です、管理できています、と医療関係者が伝えて、そのあと箝口令違反で罰せられなかったとしたら、それは真実ではないから、ということになるでしょう。真実だったら箝口令の対象になるはずだからです。 疑似感染は疑似ではない 本日、62歳の医療関係者がコロナウイルスによる感染で亡くなられたと報じられました。今回治療に携われてたわけではないそうです。報じたのは中国の報道機関ですが、ポイントは「疑似感染」として入院していた、ということです。最新の情報によると、発症してから約8日間で自力呼吸が困難になるはずです。しかしこの段階でも「疑似」としてのラベリングが変わることなく、亡くなって初めて感染と認められるということです。 このサイト<https://3g.dxy.cn/newh5/view/pneumonia?from=groupmessage&isappinstalled=0>では中国政府の公式情報を随時更新しています。一昨日くらいから体裁が若干変わり、感染数や死亡数がグラフで表現されるようになりました。これを見ると一目瞭然ですが、1/23から黄色の擬似感染数が大きく伸びて、赤い感染数の伸びが微妙に抑えられています。WHOなどに報告する数字を少しでも小さく見せるために感染数の一部を擬似感染の項目に振り分けているのではないかと思っていましたが、この医師が死亡してから疑似ではなかったと報じられたことで間違いなく確認されました。従って、感染数と擬似感染数の合計が実際の感染数に近いと思うべきでしょう。 道路を土で物理的に封鎖しているということは、物資の搬入も困難になるので現地では今後深刻な物資の不足が生じる 武漢市などから出る道路を封鎖するために土を盛っている写真が昨日からインターネット上で出回っています。日本の主要メディアはまだ報じていませんが、おそらく事実だと思います。問題なのは、土を盛って道路を封鎖すると入域することも困難になるということです。域内の病院では既にマスクや防護服を始めとする備品が不足しており、スーパーなども品薄になっていると伝えられています。かなりの広域なので食料品は足りるとしても、ガソリンなどの燃料や発電所の燃料も次第に底をつくはずです。アメリカが飛行機で自国民を迎えに行く内容が報道されていましたが、域内が今後深刻な物不足に陥るという確証を既に得ているのかも知れません。 消化器疾患も出る これは以前の記事にも書いた内容ですが、ようやく日本のメディアにも報道されました。初期に病院に行った感染者が熱と咳だけで点滴を受けていたと考えるのは不自然なので、下痢や嘔吐の症状も出ていたのではないかと思っていましたが、やはりそれらの症状もあるということが公式に認められました。また、これは今回のコロナウイルスがSARSに似通っているということも示しています。咳が出ないからといってコロナウイルスに感染していないと考えるのは危険です。 非感染者も海鮮市場に行っていたのだとしたら海鮮市場は感染源ではなく、真の一次感染はまだ封じられていない可能性がある 初期の段階から海鮮市場は感染源で、感染者の66%が海鮮市場に言っていたと報じられています。しかし海鮮市場に行くことが市民の日常生活であり、他にも多くの人が普段から海鮮市場に行っていたのだとしたらそれは感染源にはならないはずです。日本でいうと、感染者の60%がセブンイレブンに行っていたというのと同じようなものです。誰でもセブンイレブンに行きます。海鮮市場が感染源と断定するには、非感染者のうちで海鮮市場に行ったのは30%だけだった、というデータも合わせて比較しないといけません。しかし、実際にそういうデータを載せている報道は今の見つかりませんでした。代わりに見つかるのは、海鮮市場はいつも大勢の客で賑わっていた、という説明と、海鮮市場に行っていない人も感染したという事実だけです。 海鮮市場は閉鎖されたようですが、もし他に真の感染源があった場合、そこを封鎖しないと一次感染も続いていくことになります。
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